2010年6月16日水曜日

大切な事、~TMS長谷川先生の日記より

 私の先生でもある、TMSジャパン代表「長谷川 淳史」先生のブログより
大切な内容だと思うので、こちらに転載して残します。
 今の日本の医療のレベルの低さをたくさんの人に知ってもらう事が重要だと思います。



2010年06月11日


口を噤むべきか

このブログはそれほど多くの人が読んでいないようなので、正直な話をちょっとだけさせていただきます。



この10年、己の非力を顧みずに世界の研究成果をありのままに伝えようと努めてまいりました。いわゆる根拠に基づく医療(科学的に有効性が証明された診断法と治療法)が行なわれるようになれば、必ずや国民の利益になると信じていたからです。



しかしこの10年で何が変わったでしょう。腰痛の臨床現場はほとんど何も変わっていません。もちろん愚説の力不足は否定できませんが、メディアもネットも相変わらず根拠のない情報を垂れ流し続け、腰痛患者は増える一方です。とりわけ深刻なのは、手術件数の増加に伴う医療費の高騰と腰痛による失業者の増加です。



いうまでもなく、医療システムは国によって異なります。医療費を国民の税金で賄っている国では、治癒率が高く再発率の低い費用のかからない効率的な医療を追求します。ところが、日本はそういう医療システムを採用していないので、どうしても国民の利益よりも治療者の利益が優先されがちです。さらにマスコミは恐怖を煽ってそれに手を貸しています。



今、こうしている間にも弱者が食い物にされています。治癒率が低く再発率が高い上に、費用のかかる医療が正々堂々と行なわれているのがこの国の現状なのです。



近年、腰痛の研究が急速に進んで新事実が次々と明らかになっていますが、それと同時に言えないこともどんどん増えています。事実だからといって何でもかんでも言っていいわけではありません。日本の医療界を敵に回す覚悟があれば話は別ですが、愚説には愛しい友人たちを傷つける気にはなれません。それに医療界の反発を招いて混乱が生じると、結果的に国民の利益にはならないでしょう。



でもこのままではあまりにも患者さんが可哀そうです。こんなインチキだらけの世の中はもう耐えられません。ならばいっそのこと、耳と目を閉じ口を噤んだ人間になるべきか、あるいはならざるべきか、いつも心が揺れ動いています。



新しくなった『TMSジャパン・メソッド』でさえ、本当のことを言っていいものかどうか、まだ迷っています。どうしたもんでしょうねぇ。おかしな世界に首を突っ込んでしまったものです。

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